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こんな本を読んだ「許される嘘、許されない嘘」

著者は無名官僚から一転して県知事へ転進した人である。
福祉専門誌に連載されたエッセイを取捨選択し、訂正して出版。
はじめはプレスリーファンになった理由など軽いところから
筆を進めているが、編集の巧みさか、徐々に政治の核心へ切り込んでいく。
著者が官僚時代から取り組んできた福祉の例。
ある女性障害者からの「障害者施設は相部屋から個室にして欲しい。
一人で泣ける場所が欲しい。」という訴えを実現。
後にその女性が「あれは嘘。障害者だってセックスできる場所が
欲しかった。」と告白するシーンは、身近に障害者がいる人々には、
他人事でも興味本位の下ネタでもないことが理解できると思う。

この著者が「ああいう人」の人権を真摯に考えているエピソードである。

さらに同業者にもその「真摯」さは容赦なく向けられる。
「失言・放言」が「名物」の同業者を名指しで「確信的発言」と切り捨てる。
「無党派」を標榜して、選挙運動をしないで当選した「知事」には、
「正直いって、選挙運動でしか廻れない場所もある。
それを自ら放棄したような発想だから、一期で辞退せざるをえなかった。」と酷評。



さらにその先は警察の犯罪調査報償費の公開に踏み込む。
マスターとしては「この辺は、直球勝負ではなく、
寝技に持ち込んで、警察に警告程度で手を打つほうが
よいのでは。」と当初は思ったが、読み進めているうちに
そのような「貸し借り」がやがて「自らの権力の腐敗を招くことに
至る」
ので、あくまでも「直球」にこだわるのが理解できる。
これを著者は「モンダ言説」と命名している。
「知事とはそんなモンダ。」「政治とはそんなモンダ。」
「大人の付き合いとはそんなモンダ。」・・・・・。
政治・役所の世界ばかりでなく、経済・学校でも
「モンダ論者」が跋扈して、また自らもなっているのでは
と思わず自省させる。


著者に知事時代以来絶え間なく続けられている
ネガティブ・キャンペーンにも泰然としているのは、
これらのキャンペーンが「モンダ言説」論をもとに
作られているのを見抜いているからであろう。

こういう「純粋真っ直ぐ君」をもっと活躍させる余裕を、
これからの日本人は持つ方向で活きたい。

視覚とデジタル的な言説が幅を利かすテレビより
個人に話しかけるタイプでコードが緩やかなラジオが
お気に入りというのも著者の「生真面目さ」がうかがえる。

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なお、本屋に取り寄せたい方は以下のデータ
を参照願います。
(「許される嘘、許されない嘘」 浅野史郎 講談社 2007
ISBN978-4-06-213863-5)

綺羅星の中に我が星春の星 富安 風生


※この記事は書評です。
また記事と画像とは関係がありません。



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