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3・11-3 眠れぬ夜

(前記事続く)
やがて大叔父の娘さんとお孫さんが帰ってきた。
娘さんはマスターの顔を見て唖然とした。
すぐに事情を察したらしく、「帰れなくなったのですね。」と言った。

男二人は片づけ。女性三人は夕食の準備を始める。
カセットコンロがあったので、とりあえず調理はできる。
冷蔵庫から腐りやすそうな食材を選んでいるようだ。

勿論、その間もラジオはかけっぱなし。
沿岸部の被害状況が入ってきた。

警察で聞いた通り津波の被害は甚大らしい。
曰く。
・気仙沼は市街地が消失した
・仙台市荒浜の海岸には二百人ばかりの遺体が流れ着いているが
 余震と津波の恐れから収容作業はまだ行っていない。
・仙台市内はすべてのライフラインが途絶。市民は歩いて帰宅。公衆電話に長い列。
・石巻のコンビニでは店内に取り残され、首まで水につかった客がメールで
 救出を求めている。(これはデマだったようだ。)
・仙台空港をはじめ沿岸部の建物には多くの人が取り残されている。
 周辺が水没し、脱出できず屋上で吹きさらしのまま夜を迎えようとしている。
東北放送の電波状態が悪くなってきた。おかしい。
(のちに知る。東北放送はラジオ送信塔が被災し、小出力の以前使用していた
 機器で放送していたそうだ。電気も切れ燃料を気にしながら自家発電で対応したそうだ。)

もはや、仙台への道も、帰京の方便もわからない。
しばらくはこの栗原市に踏みとどまりそうだ。

夕食は、焼きそばと焼肉。
大叔父が「こんな時こそリラックス。」といって、酒をふるまってくれた。
気遣いの人である。

かねての打ち合わせの通り、日没後は全員居間に集まり、布団をしく。
ロウソクは大叔父が信心深いので灯明用が大量にあり心配はない。
携帯の電池が切れそうだが、これも乾電池がストックしてあるので
なんとかなりそうだ。もっともいつまで電気が通じないのだろう。不安だ。

9時過ぎには消灯。就寝。寒いので旧式の石油ストーブをつけたまま寝る。
ファンヒータは電気がないので使えない。

つけっぱなしにしたラジオからはひっきりなしに沿岸部の被害の様子と
水没した建物に取り残された人々への励ましのメッセージが聞こえる。
「あと8時間で朝になります。そうすればヘリコプターが飛びます。
 寒いでしょうが気をしっかりと持って朝を待ってください。」

携帯からの電話・メールは断続的に通じる。
勤務先とはメールでやり取り。
東京も大変だったようで、社員は地震直後一旦社屋から駐車場に避難したそうだ。
交通機関がろくに動かないので、今夜は会社で一夜を過ごす社員が多いそうである。
ともかく会社とは連絡が取れて助かる。

冬ざれの水没地思えば胸塞ぐ
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