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友情の証し

3・11から二日目の夜。
相変わらず余震は続く。電気のない夜もだ。

真夜中に電話が鳴った。
受話器を取ると相手は英語で話している。
名前を聞いて思い出した。
学者である父が生前よく話していたカナダ人の同業者である。
父より年下だが、その業績を父は高く買っていた。
お互い来日・訪カナダの時には互いの家を訪問した仲であった。
マスターの拙い英語で対応。
はじめ、その先生はマスターが英語を全く解さないと思ったのか。
「テルミー。イーメールアドレス。オア・ファクシミリナンバー」
と繰り返す。

やがてマスターの発音が理解できたのか、
簡単な言葉を選びながら話を始めてきた。

カナダでも震災の様子はテレビでも大々的に伝えられ、
センダイ在住の父の身を案じて、わざわざ国際電話をかけてきたようだ。

父は震災前にガンで亡くなったことを伝えると、
電話の向こう側はしばらく絶句していた。

後は、日本と同じ「あなたのお父さんには世話になった。立派な人だった。
お父さんの死と震災の片づけで大変だろうが気を落とさぬように。」
と言われた。

英語で電話を話す経験などめったにないマスターにとって
洋の東西を問わず、「人が亡くなった時のお悔やみの言葉は同じだな。」
と妙なことに感心し安心した。

翌朝、父のお弟子さんで大学に在籍している人に電話。
夜半の件を話して、今後は空家になるので、
父の訃報を、父が関係していた外国の先生方に伝えるようにお願いした。
(訃報への対応はそのお弟子さんにお願いした。今回はたまたまマスター
 が知っている先生だからうまくいったので、失礼の無いようにしたかった。)


遺品の片づけをしていたら、封を切っていないウイスキーが見つかった。
木箱に父が書いた上書きを見ると、10年以上前に
そのカナダの先生が父に土産として贈ったらしい。
酒を嗜む父にしては珍しく飲まずに保管していた。
よほど嬉しく、大切にしていたのだろう。

起き抜けに熱き茶を飲む梅雨の朝
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